旭山動物園 豆知識
旭山動物園とは
ここ数年で、日本でもっとも有名な動物園となったと言ってもいいくらい、頻繁にマスコミに取り上げられている、北海道旭川にある動物園の事。今年の7月、8月の旭山動物園の来園者数が約18万人、32万人弱と2ヶ月続いて上野動物園を抜き日本一となった。さらに9月20日は年度通算100万人を突破し、その勢いはとどまるところを知らない状態が続いている。
旭山動物園人気の秘密
旭山動物園が魅せる動物の行動展示とは?
現在園長として就任する小菅正夫さんによる「行動展示」という動物の見せ方が人気の源らしい。
では行動展示とは何か?
従来の動物の姿形を見せる展示スタイルは「形態展示」と呼ばれる。それに対し、動物本来の行動や能力を見せる展示スタイルが「行動展示」と呼ばれ、旭山動物園はこのスタイル。またこれに加え、旭山動物園での展示方法は動物をできるだけ自然の姿で見せようとする「生態展示」の要素も持つらしい。
(1)ととりの村
旭山動物園による行動展示のはしりとなったのが、1997年に登場したこの巨大なバードケージだ。従来は鳥が飛び去らないよう羽の一部を切っていたものを、ととりの村ではそれをせず、人間がかごの中に入る事で、鳥が自然の姿で飛び交う生態を観察できる。
(2)ペンギン館
手が届きそうな距離にいるペンギンの他、ペンギンが泳ぐ水槽の中に水中トンネルが設営され、水中を飛ぶように泳ぐペンギンが見られる。
(3)あざらし館
壁一面の透明アクリル板越しに水中を泳ぐ姿が見られる他、見物客が囲む筒状のトンネルをあざらしが行き交う姿を360度から見られる。さらに好奇心旺盛なあざらしは人が手を振ると鼻を寄せたりし、園内で一番人気となった。
(4)ほっきょくぐま館
半球状の透明ドームが敷地内に設けられており、のし歩くホッキョクグマを目の前で見られる。またプールの壁に窓をつけ、泳ぐ様子やプールへのダイビングなど迫力ある行動が観察できる。
(5)もうじゅう館
日中は寝てばかりいるトラやライオンの檻は、真下に空洞の見学スペースを用意して網目から動物の息遣い等を観察できる。また、夜行性動物の行動を見てもらおうと、お盆の期間は閉園時間を午後9時まで延長した。
(6)オラウータン
オラウータンは本来地上30メートル程度の樹上で生活をする。そうしたオラウータンの本能を引き出す為に高さ17メートルの位置に「空中運動場」を設置。綱渡りをしてエサを取りに行く姿が見られる。
旭山動物園ではこれら行動展示を実践する為に、動物が退屈しないよう飼育環境の工夫・改善に力を入れている。動物が自分の居場所を見つけられる環境を作れば、自然とそれぞれの特徴的な行動を見せてくれる。さらに、その時々の動物達の見所を手書きのパネルをこまめに用意する他、職員によるお客さんへの動物の説明など、動物本来の姿を知ってもらおうとする姿勢が伝わってくる。このあたりの職員の創意工夫が、上野動物園をぬく来場者数を引き寄せる要因になっているのは間違いない。
さらに、もう一点、なるほどと思うお話をききました。それは、旭山動物園の動物たちと、来場者(人間)の距離に秘密があるのだというお話でした。
どういうことかというと、心理学で、どの距離までに他の人が近づいてくると、不安感や不快感を持つかという実験をしたところ、日本人は45センチ以内に、他人が入ってくると不安を感じるという結果が出たそうです。これ、逆に言うと、45センチ以内の距離には、心を許した人以外はいれないということがいえます。旭山動物園の動物たちは、この45センチの距離の中に入っているのです。つまり、ペットでもない限り、この距離に動物が近づいてくることなど、まずないことなのですが、旭山動物園では45センチ以内と感じさせるような、仕掛けや工夫が随所に見られる。つまり、旭山動物園の動物たちは、来場者にとってペットと同じ距離を感じる動物園なのです。当然、親近感もわいてきます。何度も足を運んでしまうのも、当然といえば当然の話です。
最近、旭山動物園の、行動展示を真似た、動物園をいろんな自治体が作ろうとしているようですが、
この距離感を間違えると、似て非なるものをつくってしまいそうですね。
